お茶会参加5回目の建築士の方がお抹茶を点てられるようになった話。
立川でお茶の会をしてきました。
お足元のよくない中、13人のお客様。
みなさんがほぼ初対面。
自己紹介をして、ちょっとお茶のお作法をお伝えさせていただいて。
「お茶を飲むときには、隣の、まだお茶が来ていない方に、お先に、とあいさつをしてみてください」
「お茶碗にはお顔があります。お茶碗も緊張してしまうので、お茶碗の顔をずらしてあげてください。流派によって右回りか左回りか、何回ずらすかが変わります」
「三回で飲みほして、ズズッと残った泡をすする。三口半が美しい飲み方と言われていますが、お茶が熱かったり、量が多かったら、気にしないでお好きに飲んでください」
など。
初めて抹茶を飲むのに、緊張していたら、味もわからなくなってしまいます。
作法よりもお茶の楽しみ方から入ってもらえれば、自然と身についてくるのではないかなと思っています。
いつも、どなたかに、お抹茶を点てる体験をして頂いているのですが、
今回が5回目のベテランの参加者さんが「先生のために点てさせていただきたいです」と言ってくださり、順序もバッチリ。
たいへんけっこうなお点前です!練習されたのですか?
と聞くと
「先生が点てている動きを観察していました」と照れながら告白してくれました。
先生と呼ばれるのは自分が照れてしまいます。
なぜなら、彼は自分の父ほどの年齢の建築士の方だから。
「お茶会に参加させて頂いているおかげで、お客様と焼き物の話や、茶室の話、掛け軸の話ができるようになって、仕事にも生かされています」
「日本橋を歩いていたら、デパートの前に茶道具が飾ってあるのを見て、先生を思い出して、眺めて帰って来ました」
と言ってくださります。
楽しい体験もなによりですが、日ごろの行動や見方が変わった、と言われるのが一番嬉しいです。